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日々の徒然なるままに歯のコラム

法医学 法歯学 身元確認

こんにちは。
2週間ほど前に京都アニメーションのスタジオに男が侵入してガソリンを撒いて放火したことにより、関係者の方に多数の死傷者が発生した事件がありました。
大きなニュースだったので皆さんもご存知かと思います。
歯科医師が身元の確認作業をしたというニュースを見ました。
なぜ歯医者が?と思う方もいるかもしれませんが、身元確認に歯はとても役にたち一般的に行われていることなのです。
 
このような身元確認は法医学の分野のひとつですが、法歯学といって歯に関しても同様の分野があります。
事件後などに法医学・法歯学で最も重要とされることが、個人を識別することです。
個人の識別とは、それが誰であるか、もしくは誰のものであるかという身元を確認して、その氏名を明らかにすることです。
個人を識別する方法としては、DNA検査、指紋採取、血液型識別などの方法がありますが、歯の検査も大変重要な位置を占めています。
体の組織の中で、死亡しても長期間残存するのが歯です。最も硬く腐敗せず、物理化学的な影響を受けにくい組織です。
また歯のすり減り具合や、噛み合わせ、むし歯や歯周病による変化、歯並び、歯の治療痕などの組み合わせは、多種多様です。
歯の状態がまったく同じ人は、存在しないと考えられています。
 
歯の表面はエナメル質に囲まれており、根の周囲は歯槽骨が存在するため、DNA分析にとっても歯は良い試料であると言われています。
また歯や顎の骨や歯石からも血液型を検出することができます。
 
これらのことから歯の所見による個人識別は、身元確認の識別手段として大変有用であることがわかると思います。
東日本大震災でも、歯科医師による「歯科所見を用いた個人識別」は社会から大きく評価されたことのひとつです。
 
傷害事件の際には、かみ傷や歯型が残されていればその形や位置、噛みつきの程度を調べることによって事件の解決の手助けになることもあります。
犯罪捜査では、犯罪現場のやり直しは不可能なので、厳密な調査が大切です。
科学捜査においても法歯学も法医学と同様に重要と言えます。
 
 
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