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日々の徒然なるままに歯のコラム

無痛症

無痛症という痛みを感じないない病気があるのをご存知でしょうか。
痛みを感じないというと、歯が痛くならないし、手術後の痛みもない。陣痛や分娩時の痛みもなく羨ましいと思う方もいると思いますが、難病してもされている疾患なのです。
先天性無痛無汗症といいます。
I遺伝性感覚性自律神経性ニューロパチーのV型に分類されます。
末梢神経が遺伝的に障害される疾患を総称して遺伝性運動感覚ニューロパチーと言います。
先天性無痛無汗症は、最初の患者が日本で発見されており、他の型も含めて患者の割合は日本人が最も多いとのこと。
 
全身の温痛覚が消失しますので、温かい物や痛みを全く感じないのです。また汗もかきません。
これらが原因で様々な症状や問題を抱えてしまいます。
皮膚や粘膜に外傷を受けやすく、受傷しても気づかずに重症化してしまうこともあります。
もちろん口腔内にも痛みを感じないため、むし歯や歯周病が放置されてしまいます。
 
虫歯や歯周病の痛みや体の痛みは、人間の防御反応です。
痛みが出ている部分に何か異常があると脳が認知し、サイトカインを放出して痛みとして人間に危険信号を送っているわけです。
虫歯や歯周病で痛みが出たら放置せずに、歯科医院を受診したほうがいいとはこういったことなのです。
異常がある時に治療をしないと重症化してしまうのです。
特には歯や歯肉の痛みは、炎症のピークを越えると痛みが消えてしますこともあり、治ったと勘違いしてしまう方が非常に多いです。
これは実は大変危険で、歯の神経が壊死してしまったり重症化しているのです。
 
無痛症の方は以上のように体の防御反応としての痛みを感じないため、異常があるところを認識することがほぼ不可能です。
口の中は特に見えないところですし、不可逆的なところなので定期的なチェックは必須と言えます。
知らずに舌を噛み切ってしまうこともあります。

根本的な治療法は見つかっていないということで、今後の研究に期待したいところです。
 
 
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