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ヘルパンギーナ

こんにちは。
ヘルパンギーナが7月に入り流行の兆しを見せているようです。
1日から7日までの1週間の患者報告数は東京や神奈川などで増加し、警報基準値を上回る地域が出てきたとのこと。
今回はヘルパンギーナについて知識を整理しておきましょう。
子どもの三大夏風邪として、「手足口病」「ヘルパンギーナ」「咽頭結膜熱(プール熱)が有名です。
手足口病に関しては以前も記事にしてありますのでそちらを参照してください。
 
一般的にはヘルパンギーナは、6月から初夏にかけて流行し、乳幼児に多く見られるウイルスの感染症です。
国立感染症研究所の報告によれば、5歳以下の患者さんが全体の90%以上とのこと。
1歳の患者さんが一番多く、続いて2歳、3歳、4歳の順番で患者さんが減っていくようです。
しかし、5歳すぎの子どもや大人もかかる可能性はあるため、保護者も感染予防が大切と言えます。
 
 
【原因】
原因の多くが、エンテロウイルスと呼ばれるウイルスです。そのエンテロウイルスの中でも特にコクサッキーウイルスA群による感染がもっとも多く見られます。
他にコクサッキーウイルスB群やエコーウイルスも原因となります。
咳やくしゃみ、つばによる飛沫感染。
唾液などがついたおもちゃや手指、水泡の中身や便に排出されたウイルスからの接触感染で発症します。
周囲への感染力が一番強いのは急性期です。
しかし治癒した後も便にウイルスが排泄され続ける可能性があり、2~4週間は便に感染力があると思ったほうがいいです。
何度もかかってしまうことも珍しくありません。まれに大人も発症します。
 
コクサッキーウイルスA群は、「ノンエンベロープウイルス」といいます。(エンベロープとは脂質性の膜)
ノンエンベロープウイルスはアルコール消毒剤や熱に対する抵抗力が高いことで知られていますが、最近ではノンエンベロープウイルスにも有効な「酸性アルコール消毒剤」が開発されています。
感染物周囲の消毒などはこの消毒剤を使用しましょう。
 
 
【症状】
発熱が突然はじまり、口の中に口内炎のような小さなブツブツ(赤い発疹、水泡)ができる点が特徴的です。
医学的には、紅暈(こううん、皮膚が部分的に充血して赤く見えること)で囲まれた小水疱が出現と表現します。
時々歯医者さんに見せに来る方もいます。
水泡がつぶれると、口の中が痛くて食欲が落ちてしまうこともあります。
 
潜伏期間として2~4日間経て発症します。
発熱から1~2日経つと喉の奥が赤く腫れ、さらに1~2mm程度の水泡ができ潰れて潰瘍になります。
食事や飲みものを受けつけなくなることから、「脱水症状」を起こすこともあります。
2~4日程度で熱は下がり、その後、口の中のブツブツも消えていきます。
全体で1週間程度たつと治癒します。
 
 
【治療】
特効薬はありませんので、自然によくなるまでの間、症状をやわらげるようにする必要があります。
発熱や口の中の痛みに対して、解熱鎮痛剤(小児の場合はアセトアミノフェン)を処方します。
症状が重い場合は食事や水分がとれず、脱水になってしまうので、点滴や入院などの治療が必要になることもあります。
 
 
【予防】
ワクチンはないため感染を広げないために密接な接触を避けるようにしましょう。
うがいや手洗いをしっかり行なうなどの感染対策は必須です。
先程も述べたように、ノンエンベロープウイルスにも有効な酸性アルコール消毒剤で消毒しましょう。
 
 
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