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フグの歯 人間の歯を再生?
こんにちは。
以前、サメの歯について記事にしたと思いますが今回はフグについて記事にしたいと思います。
先日、フグがアルミ缶を噛み切る映像を拝見し、その強靭な顎の力とするどい歯に関して改めて感激しました。
人間では天然の歯と比較すると入れ歯での咀嚼や噛みきりはどうしても弱く、調整をしてできるだけ最大限の機能を持たせるよう努めていますがやはり限界もあります。
診療をしていて改めてそういった認識をする機会がありますが、そんな時にフグの映像を見てフグの力の強さに関心したわけです。
釣りをしている方はわかると思いますし、フグに餌をとられるというのはよく耳にすることだと思います。
しかし口に指を近づけてしまってけがをする人はまだまだいるようです。
場合によっては引きちぎれてしまうので大変注意が必要です。
なぜこんなにもフグは噛む力が強いのでしょうか?
普段から餌としているのは甲殻類やヒトデといったものです。
このような食生活のため殻ごと噛み砕くパワーが必要で、強靭な顎の力と鋭い歯ができたと言われています。
そのためフグの歯は特徴的です。
上と下にそれぞれ2枚ずつ板状の横に長い歯が生えていて、かなり鋭い形をしています。
この歯の形はフグ科の特徴的なものですが、フグの種類によっては3枚歯があるものもいるそうです。
歯の生え変わりの過程で元の古い歯と融合することでこのような板状になったと言われています。
融合を繰り返すことで強固なものとなり、甲殻類のような硬い獲物を捕食できるように進化していったというわけです。
外敵の多い海中で生き抜くための、フグの進化と言えます。
漁で使うワイヤーも噛み切ることが出来るほどの強い力です。
可愛らしい見た目のフグですが、あの凶暴なピラニアにも匹敵するかそれ以上かというほどの力があるとも言われています。
フグは毒があることで有名ですが、気をつけなくてはいけないのは毒だけではないのです。
釣りに行った際などは、釣り針を外す時にどうしても手をフグの口元に近づける必要があります。
その際は細心の注意を払うことが必要で、なるべく道具を使用して直接手で触れないようにするのが良いでしょう。
人間の歯とフグの歯は、一見全く共通点のないように思えます。
私たち人間を始めとする脊椎動物は歯が生え変わるという変化が起きます。
それと同様に、フグの歯も生え変わります。
そしてなんとそれを引き起こしている遺伝子は、人間と同じ遺伝子によるものとわかっています。
そのため研究者の中には、フグのような強い歯に人間の歯が進化していく可能性がある、と言っている人もいるようです。
また今後私たちの歯の治療に遺伝子レベルでの治療ができる可能性もあります。
フグの特徴である歯が生え変わる性質や、フグの歯から人間の歯を再生させる?ようなことが可能になるかもしれません。
遺伝子レベルの研究が進めば夢と思っていたようなことも可能になるかもしれません。
実際に臨床、つまり人間に使用するとなるとかなりハードルは高くなるかもしれませんが、今後の再生治療のヒントやきっかけになる可能性もあるので大変興味深い研究分野と言えます。
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