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歯のコラム

虫歯が少ない地域はどこ? 神奈川県?東京都?沖縄県?北海道?新潟県?

こんにちは。
以前にも記事にしたように近年は予防歯科が浸透してきました。
治療するだけでなく予防することの大切さ。
欧米に比較するとまだまだであることは否めませんが、データとしても日本の子どもの虫歯が減ってきていることがわかっています。
1970年代には12歳で平均5本が虫歯であったのが、2017年には平均0.82本となってきました。
日本でもある程度予防歯科の効果が出てきていると言えます。
 
ただし都道府県レベルで見ると、実は地域格差があるのです。
愛知県や新潟県の平均虫歯本数は0.4本に対して、沖縄県や北海道はその約4倍あります。
虫歯がある子どもの割合は新潟県、愛知県はほぼ5人に1人ですが、沖縄県や鹿児島県ではほぼ2人に1人です。
ちなみに神奈川県は全国平均より少し少ないという結果です。
 
世界的には経済的状況と口の中の状態、清掃状態は相関があるというデータがあります。
先進国では発展途上国に比べて医療の質も高く、歯科衛生についての知識や習慣も浸透しています。
日本では国民皆保険のため、誰もが平等に医療を受ける権利があり、インターネットやTV、書籍等から医療情報を簡単に得ることができます。
それでもこういった地域格差があるのはなぜでしょうか?
 
新潟県では保育園、幼稚園、小・中学校でのフッ素洗口の実施率がなんと89%とのことで、全国平均の19%を大きく上回っています。
こういった影響で新潟県は12歳時の平均虫歯数の少なさが18年連続日本1位なのです。
他には歯科医院での専門的なフッ素塗布の普及や、学校検診後の問題部位がきちんと治療されたか学校側で管理する体制が整っていることも要因だと言われています。
このように歯科教育が浸透しているのが地域格差として出ていると考えられます。
これには学校や県・市町村、歯科医師会、大学病院・歯科医院が一体となって連携しながら、歯の予防と管理を進めていかなければ実現されません。
フッ素洗口だけでなく、甘い物の摂取に関する生活指導や、ブラッシング指導ももちろん必要です。
 
実際にフッ素洗口に関しては全国の自治体の取り組みが活発化して増えてきています。
しかし適正な量であれば問題ないですが、フッ素濃度が高いと人体に影響が出る場合もあります。
こういったことから自治体の取り組みが活発になってもなかなか導入が進まないケースもあるようです。
歯科医師会や国がフッ素の普及や安全性に関しての説明をしても、見解の相違などがありPTA側から反対の声が出たりすることもあるようです。
フッ素以外での取り組みを活発にすればそういった地域ももっと改善できると思います。
 
 
また中学生の頃にいくら予防をしたからといって、その後も安全とは限りません。
高校くらいになると、自分で好きなものを食べたり生活習慣が乱れてきたりする子もいます。
せっかく良い習慣、環境が整っていてもその後に崩れて虫歯になってしまうこともあります。
歯は一生ものですから、生涯にわたって予防と衛生に努める必要があります。
 
 
横浜駅徒歩7分
横浜相鉄ビル歯科医院 吉田

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